【青い街灯の下で】

 第一章 僕とリサ 2

 

ねえ、青山さん。

 

どうしよう、どうしよう。

 彼にすごく迷惑をかけてしまったの。

 そう、いつも話しているあの先輩のこと。

 でも、彼は優しいのよ。ちゃんと助けてくれるの。

 彼がいてくれて本当によかったわ。

 でも、やっぱり彼に会うときは今でも照れちゃうの。

 この思いをうまく伝えられないの。

 

どうしたらいいの?

 何かいい方法はないかしら。

 友達?

 聞くまでもないわ、直接言いなさいって言うに決まってる。

 面白がっているの。

 それに、これはわたしたちだけで悩んでいても先に進まないことなの。

 うん、確かに直接会うのが一番いいのかもしれない。

 返事もすぐにもらえるし。

 でも、だめ!

 そんな勇気でない・・・

 

 まあ、すぐにでもというわけではないのだし、時間はまだあるわ。

 とにかく伝えられればいいのだから、もうちょっと粘っていい方法考えてみる。

 

 ごめんね、青山さん。

 いつもこんな話ばっかりで。

 つまらないでしょう?

 でも、聞いてくれる人がいるだけで、わたし、すごく癒されてるの。

 これからもわがままなあたしにつきあってね、青山さん。

 

 ◆            ◆             ◆

 

 今日の彼女はいつもにまして饒舌だった。

 思いを伝える方法?

 僕の切なさは増すばかりだ。

 

 ◆            ◆             ◆

 

 

ねえ、青山さん。

 

 わたし、いい方法、思いついたの!

 ちょっと古典的だけど・・・

直接は恥ずかしいし、かといってメールじゃあ味気ないもの。

こういうのは情緒が大切でしょ、じょ・う・ちょ・が!

だから、あたし、これにすることに決めたの。

 

・・・改まって対峙すると、正直困るわね。

普段、手紙なんて全然書かないもの。

でもあたし決めたんだから、頑張るわ。

これでも一応大学生なんですから。

手紙の文章くらい書けるわ・・・友達には馬鹿にされそうだけどね。

青山さんは、馬鹿になんてしないでしょう?

 

――ええ、先輩と会う約束もできたわ。

先輩が何を思うか不安はあるけど・・・

あたし。がんばるから!

応援してよね。

 

 ◆            ◆             ◆

 

ああ、彼女の黒目がちな瞳はますます黒曜石の輝きをはなっている。

彼女が輝けば輝くほど、僕のこころは落着かない。